※永福町/18時00分/改札
伊…伊藤暁里
博…ソーシキ博士
(この日はブタジが参加できず、伊藤と博士の2人で収録を行うことに。伊藤がボトルキープをした店があるというので永福町に集合となった)
博:夏めいてますね
伊:夏めいてますね、本当に
博:え?
伊:ん?いやいや、ただオウム返ししただけです
博:そっかそっか、ええっと、大丈夫です
伊:ふはは
博:ちょっと自転車を取りにいきますね
伊:オッケーです。どこかあるんですか、気になる店とか
博:商店街の方にちょっと気になるところはあるんですよ
伊:あ、じゃあそれ行きますか
博:伊藤さんが言ってたところが先でもいいですよ
伊:チャリの停めてある場所によるかなと。効率重視で
博:効率は悪いですよ、僕の気になってるところは
伊:なるほど、じゃあ、チャリに行きましょう
博:ええっと、えええ!?(笑)
伊:違う違う、間違えました(笑)
博:一軒目チャリってことですか、チャリの前で飲む(笑)
伊:ははは!(笑)
※18時15分/永福町/焼き鳥倶楽部
(店員に尋ねたところ、伊藤がキープしたと思ったボトルはその日のうちに飲んでしまったらしく普通に注文することに)
伊:…じゃあ、白ホッピーセットで
博:ぼく酎ハイください
店員:かしこまりました
博:ブタジさんにも何飲むかラインで聞いてみますね
伊:いいですね、遠隔参加で
博:こういうのもあった方がいいですよね
伊:そうすね。2人の回って初ですよね
博:ね。ちょっとやってみましょう
伊:マジメ回みたい感じとかいいかもしれませんね
博:あ、ブタジさんからラインきてますね
伊:あれ、行こうかなってきてますよ
博:あら、来てくれたらいいですけどね!
伊:ね!
博:あと40分で行けますって!
伊:状況が変わったんでしょうね
博:そしたら2軒目から参加みたいな感じにしましょうか
伊:そうしましょうか
博:なんか注文しましょう
伊:やきとりですかね
博:僕はシロ、ハツ…
伊:ネギマ、レバ…
(適当に注文する)
伊:ブタジさんくるとは、思わぬ展開になりましたね
博:ですね
伊:…最近どうっすか
博:はははは!(笑)いきますねぇ。前のめりがすごいですよ(笑)
伊:ははは!
博:録ろう録ろうとして(笑)
伊:いやあ、どうなんですか最近
博:今アニメ作ってて
伊:ああ、言ってましたね
博:何か、何もできなくなっちゃいますね、アニメ作ってると
伊:あ~
博:そういうのあります?曲作っててボロボロになってくみたいな
伊:他のことが手につかなくなるとか?
博:…とか
伊:僕の場合は、ブタジさんや博士と違って
博:チームですからね
伊:チームというか…
博:違う?
伊:1人でやることの量が2人よりは少ないですからね
博:でも曲書いて詩も書く訳ですよね?
伊:そうなんです。続きがあって、最近1人で取り組む割合を少し多くしてるんです
博:はいはい。(メンバーに曲を)聞かせる前に、作るみたいな
伊:そいうことです。作りこんでから
博:うんうん
伊:で、メンバーに、それに何かを足してもらって返してもらうっていう
博:ほう、ええ?
伊:基本的にパートはすでに入ってるんですけど
博:ああ、自分の楽器に限らず、ちょっとこういう音入れてみました、みたいなね
伊:そういうことです。っていう上で話戻しますけど、「ここのこれどうしようかな」とか悩んでると、そのことはずっと頭にありますよね。何もできなくはならないですけど
博:そうなんです。アニメーションって、絵を描いて、置いて、それを動かすんですけど
伊:うんうん
博:いい動きにならないと、本当に何の才能もない人が作った訳の分からないクソ映像みたいな状態なんですよ、ずっと
伊:おお
博:良くならないうちはずっと悪いんで
伊:そうなんですか!もうそれは、ある時ガラッと変わるんですか
博:そうですね、自分の場合はそうです
伊:その良くなるっていうのは、何かを見つけたっていう感じ?
博:例えば、この顔でこの体格の人が、こんな背景にいて、カメラこんなに寄らないだろ、とか
伊:ああ~?その違和感が最初はある訳ですか
博:そう。じゃあこの世界ではどういう風にカメラが動くんだ、と
伊:その設定における自分の正解というか
博:そう、そういうのが見つかるまでは、ずっとハズレなんですよ
伊:あ~
博:正解見つけるまでずっと不正解なんで、めちゃくちゃしんどい(笑)
伊:そうなんですね…
博:…っていう風に段々なってきました。昔はもっと、先人のやったものとかを疑問を抱かずにやってたと思うんですけど
伊:はいはい
博:段々ね、「いやいやそれは誰かが考えたものでしょう」っていう視点が自分の中に入ってきちゃって
伊:あ~。模倣というか何かモデルがあると、最初の段階で大きい正解がありますもんね。それをアレンジするみたいな感覚ですよね
博:そうですそうです
伊:音楽の場合は、曲が形になった段階で、何となくの…いややっぱり…
博:その曲が形になるっていうのって、どの段階で「形になる」っていうんですか
伊:そうですね、ちょっと難しいんで…酒のんでもいいですか?
博:はははは!(笑)ちょっと難しいんで酒飲みますか(笑)
伊:はい…(笑)
博:じゃあ僕ちょっとTwitter見ますね
伊:僕もラインを返します
博:難しい時は携帯見ましょう(笑)
(しばらく違う話)
博:で、曲が形になるっていうのは?
伊:そうですよね。さっき言おうとしたのは
博:はい
伊:アニメに比べると、細かい制作の作業が始まってる段階では、もう何かはあるので
博:はい
伊:…ええっと…
博:はははは!(笑)
伊:…(笑) 博士の話で思ったのは
博:はい
伊:設定とかキャラとかがある状態は、まだ何も始まっていない?
博:ええっと、作り始めるときに、最初の絵みたいなのがあるんですよ、一枚
伊:はい
博:どういう絵かっていうと、キャラクターはどういう線でどういう色が塗られてるか
伊:はいはい
博:例えば車描くとして、精密なCGなのか線で簡単に描くのか、エフェクトを出すのか出さないのか、雲を出すのか出さないのか
伊:はい
博:みたいな、その世界にあるものないもの、許されているもの許されていないものが描いてある絵なんです
伊:さっきのいい動きの正解というのは…
博:アニメーションって世界まるごと作っちゃうことなので
伊:はい
博:重力があるのかとか、あるとしたらどんなものの落ち方するかとか
伊:そういうことね
博:人はどんな風に歩くのか、それによってコミカルになったり怖くなったり。一枚の絵は、ルールを決めている段階です
伊:わかりました。最初の一枚の絵を作る段階での最後の工程が、動きの正解を見つけるということなんですね
博:そうですそうです
(焼き鳥到着)
伊:つまり最初の工程の中の、最後の工程
博:そうです、最初の最後。ただそれが一番肝心と最近思ってます
伊:光が見えだす前の最後の工程
博:昔は、最初に全部絵コンテに描いて、それに即して作ってて、それが普通のアニメの作り方だと思うんですけど
伊:シーケンスとかは分からない状態で始めるんですね!
博:そうです、先が見えない状態で
伊:だから、最初のルールが重要
博:そうです
伊:…面白い話を聞きましたよ
博:そうじゃないと納得できなくなっちゃって
伊:面白いですね
博:そっちの方が、当たり前なんじゃないかなと思って。アニメーションってものを考えた時に
伊:…そうっすよね。最初にストーリーを考えるのって、ストーリーの方に重きを置いているってことですもんね
博:そうそう
伊:アニメの面白さはそれだけじゃなくて、絵の動きの面白さとか
博:そういうことです。そこで、面白い物語になるように、そのつど人を出したり場面を変えたりする、っていうことじゃないと、だめなんじゃないかなと思ったんですよ
伊:わかります。近いことが音楽でもあると思ってて、前回の喝采のイベントで言った音楽の骨っていう…
博:言ってましたね、音楽の骨問題!(※2018/02/12 三軒目参照)
伊:ストーリーみたいなものにばかり目を向けちゃうのって、曲のメロディやコード進行が一番重要(=骨)だと考えるのに近いところがあるな、と思ってます
博:うんうん
伊:録音の質感だとか楽器の選別だとか、それ以外の要素が無限にあると思うんですけど、そういうことも同様に重要ですよね
博:はいはい
伊:何となく、「いい曲」が最高という感じが最近強いような気がしてます
博:それはその、メロディとかコード進行に、比重が置かれすぎてるってことですね
伊:そうですね。まあ両方、ストーリーも、設定やルールも両方大事だとは思うんですけど
博:うん
伊:博士が言ってるのは、設定やルールに、ストーリーは附随するっていうことですよね
博:…ていうか、ストーリーって、世界の中で起きることだから
伊:!! 自然にできてくる、みたいな
博:そうそう。頭で考えることじゃなくて
伊:必然的にできてくる
博:きれいな水槽に、自分の好きな石を入れて、海藻いれて、塩分濃度を好きに調節して
伊:うんうん
博:そこに自分が選んだ魚を放したら、何かが起こるだろうっていう
伊:決めなくてもね
博:で、カメラの置き方とか演出で、どんなことでもドラマチックにできるだろうっていう考え方です、最近は
伊:自分の虫カゴの中に…
博:いや、水槽を虫カゴに変える意味ってどんくらいあるんですか!!(笑)
伊:ははは!(笑)
博:ちょっとまってくださいよ(笑)もっとうまいことで変えるならいいけど、水槽を虫カゴにって!!(笑)
伊:カブトムシを…
博:わざわざいうことじゃない!!(笑)
※19時、ブタジから到着の知らせがあり、博士が迎えにいく…